ごくまれに看護師が患者に対する事件が発生し大きなニュースになったりします。その際使われるキーワードの一つに心の闇があります。
しかし弱者に対して何らかの悪意を持つ人は、必ず心に何らかの問題を抱えているといえるでしょう。決して医療従事者に限った話ではありません。仏教に依正不二という言葉があります。現代風に解釈すると、自分と周囲が常に影響し合っているという意味で使われるそうです。心の状態が、周囲の環境に左右されながら揺れ動いていると理解できます。例えば快晴の朝、気持ちよく目覚めた人が、大好きな朝ごはんを食べて晴れやかに外に出かけ、隣近所の人からおはようという明るい声をかけられるのは最高の朝と言えるでしょう。しかし同じ人が、しとしと雨の降る月曜日の朝つい寝過ごしてしまい、朝ごはんを食べる間もなく外に飛び出した瞬間、目の前を走り去る車に水たまりの泥水を跳ねかけられたら、嫌な気分になることでしょう。このように心の在り様は、周囲の環境によって刻一刻と変化することを表しています。同じ人格を持つ同じ人間なのに、このように心が常に変化すると説いているのです。
看護師に限らず何らかの原因で心の闇を感じる時は、そんな心の在り様に作用した周囲の環境を意識してみましょう。もしできるなら、その心の状態を別の形に変化させるよう努めてみましょう。もしそれが難しいと感じたら、その環境から逃げるということが最も望ましい解決策だといえるでしょう。心の闇は、心の在り様が変化すれば解消する、それもまた事実だといえるはずです。厳しいストレスに晒されている看護師のような職業の人は、心のケアがとても重要になってきます。